国立口之津海上技術学校ブログ

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National Kuchinotsu Maritime Polytechnical School

【校長だより】 第R70110号

校長の黒田です。しばらく期間が空き、久しぶりのアップとなりました。
1月6日(月)に1、2年寮生が帰寮し、翌7日(火)より3学期がスタートいたしました。一方3年生は、写真投稿にもあるとおり、1月5日に東京晴海埠頭より練習船“大成丸”に乗船し、3月10までの船内生活に入りました。現在は東京灯標付近に錨を下ろして、東京の街並やまぶしい夜景を眺めながら生活していると思います。今後は横浜、清水、神戸、広島、細島へと西へ航海し、再び神戸へ戻る予定となっています。また、新しい教員が赴任し態勢も少し変わりました。生徒も着任教員も早くなじんでもらえればと思っています。
 また昨日は防災訓練を行い、校長より、この地域の災害の歴史について少し触れながら、防災への意識を高めてもらいました。1792年、まだ徳川幕府第11代将軍の時代に、雲仙で大地震が発生し、それによって島原市にある眉山が山体崩壊を起こしました。土地を埋め尽くしながら土砂や岩石が有明海へ流れ込み、それによって大津波が対岸の肥後の国、熊本や天草へ、さらにその返し波が島原半島の町を襲い、当時併せて1万5千人が犠牲となったそうです。雲仙普賢岳の大災害はその198年後の1990年(平成2年)に始まりました。去る8月には南海トラフ地震臨時情報が発表されましたが、口之津はその影響は小さいとされる土地で、指定地域には含まれませんでした。しかし反面、火山と断層を抱えるこの地は、温泉などの恩恵のほか、地震災害の恐れとも隣り合わせなので、日頃の備えも大切といえます。崩壊した眉山は今でもざっくりと崩れた当時のままで、また島原沖の海上には九十九島と呼ばれる、小島が点在する風景となっています。
 さて、本校でもいよいよ受験シーズンに入りました。船員を目指して応募いただき感謝申し上げます。寒気の流入によって気温の低い日も多くなっていますが、受験生の皆様は是非体調管理にはお気を付けいただきたいと思います。